タムロンは9月2日、同社の製品ラインアップの中でも、高い光学性能や画期的な特徴を持つ「SPシリーズ」の刷新を発表。高画素化が進むセンサーに対応するべく、光学性能をさらに向上させ、新しいデザインを順次採用していく。
第1弾として発表されたのは、「きれい、寄れる、ブレない」という特徴を持つ2本の単焦点レンズ。焦点距離35ミリの「SP 35mm F/1.8 Di VC USD(Model F012)」と、焦点距離45ミリの「SP 45mm F/1.8 Di VC USD(Model F013)」だ。どちらも希望小売価格は9万円(税別)で、9月29日に発売を予定している。
タムロンのSPシリーズといえば、「名玉」と言われる90mm マクロをルーツとするラインアップ。これまでも高性能レンズの代名詞ではあったが、「今後も高い性能のレンズを表す確固たるシンボルにしていく」と上席執行役員の千代田路子氏は話した。
今回35ミリと45ミリの単焦点レンズが製品化された背景には、「標準域のレンズがほしい」というユーザーからの要望が多かったことがあるという。商品企画部 部長の佐藤浩司氏は、「広角好き、標準好きのどちらのユーザーにも選んでいただける焦点距離。APS-Cサイズのセンサーを搭載した製品でも、54ミリ相当と70ミリ相当と使いやすく、常用レンズとして選んでもらえるものとして開発した」と話す。開放絞りがF1.8なのは「光学性能、手ブレ補正機構、最短撮影距離、ほどよいサイズ感を追求したため」だ。これらを最高のバランスで実現しているという。
レンズの特徴である撮影倍率の大きさは、SP 35mm F/1.8で1:2.5、SP 45mm F/1.8で1:3.4。最短撮影距離はSP 35mm F/1.8が20センチ、SP 45mm F/1.8が29センチとなっている。マクロレンズのように被写体に近づいて撮影できるのがポイントだ。
このほか、フルサイズの広角・標準単焦点レンズではまだ珍しい手ブレ補正機構を搭載し、低照度環境での撮影に対応しやすくしているほか、簡易防滴構造を採用し、撥水性・撥油性に優れた防汚コートを施すなど、使い勝手に配慮した機能を備える。手ブレ補正機構はCIPA基準でSP 35mm F/1.8が3.0段分、SP 45mm F/1.8が3.5段分。マウントはキヤノン用、ニコン用、ソニー用を用意する。
レンズ構成はSP 35mm F/1.8が9群10枚、SP 45mm F/1.8が8群10枚で、絞り羽根はどちらも9枚の円形絞り。SP 35mm F/1.8の全長はキヤノン用が80.8ミリ、ニコン用が78.3ミリ、最大径は80.4ミリ。SP 45mm F/1.8の全長はキヤノン用が91.7ミリ、ニコン用が89.2ミリ、最大径が80.4ミリ。フィルター径はどちらも67ミリだ。
今回、レンズのデザインはtakram design engineeringの田川欣哉氏が手がけている。マウント寄りにルミナスゴールドのリングを配しているのが特徴で、「長くユーザーに親しまれていた金リングの伝統を、一歩未来のために進め、取り込んだ」と田川氏はいう。
「ブランドリングはだいたい4〜5ミリくらいのものを配することが多いが、製品の象徴として8ミリとしている。リングはSPレンズの象徴。レンズとカメラのボディが結合するときのよりよい関係性、タムロンのレンズとユーザーとの新しい契約の証、タムロンからのブランドトしての約束として、製品の誇りとしてブランドの中に入れていくよう表現した」(田川氏)
レンズは、どのボディに装着されても一体感があるように配慮したと田川氏。機械としての凝密感、精度感をもたせつつ、ユーザーが手に持ったときにほっとする感じを持ってもらいたいと考え、リングと前玉側それぞれに曲線を取り入れ、柔らかな印象が伝わるような形状を目指したという。
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