とうとうパナソニックから“LUMIX”「DMC-LX5」(以下、LX5)が出た。率直にうれしい。2年前(2008年)に出た「DMC-LX3」(以下、LX3)はなかなか贅沢(ぜいたく)な作りをしたよいカメラで、ハイエンドにふさわしい設計思想を持っており、お値段は高めだったけど根強いファンがいたのである。実はわたしもけっこう気に入ってたのだ。
でもその後パナソニックはマイクロフォーサーズに力を入れ、2009年に出たのは「DMC-GF1」(以下、GF1 レビュー記事)だった。だからLXシリーズにはもう力をいれないのかなと思ってあきらめかけていたのである。
そしてLX5である。LX3のよいところは受け継ぎ、大きなデザイン変更やスペック変更をしないで登場した。
ちょっと大きめのCCDと明るい広角系ズームレンズを持ち、高感度にも強く、ハイエンドユーザー向けの操作系を採用し、普及型コンデジとはワンランク違うスナップ向けハイエンドコンパクトの王道を行くカメラに仕上がってきたのだ。
まずLX3と比べてみよう。
デザインコンセプトは同じだが、LX5の方が少し背が高い。アクセサリシューにGF1用のEVFを装着するための端子を追加したからである。LX5はEVFを使えるようになったのだ。これはでかい。
操作系は基本的に同じ。ただ、動画ボタンが上部につき、背面は大きく変わっている。LX3は撮影・再生がスライドスイッチで、細かい操作はジョイスティックで行っていたのに対し、LX5はクリック付の電子ダイヤルを装備し、再生もボタンになった。
背面ダイヤルのおかげで露出補正や絞りなど露出系の操作性は向上。逆に、Q.MENUボタンが端っこへ追いやられたのは残念。実はこの構成、GF1をかなり継承している。操作系の統一感がでてきたのはよし。
もちろんLXシリーズならではの鏡胴周りのスイッチは健在。アスペクト比には1:1が追加された。
LXシリーズの面白さはその優れたスペックにある。
まずはレンズ。24ミリ相当からの広角系ズームで、LX3よりちょっと望遠側が伸び、90ミリ相当までいけるようになった(LX3は24〜60ミリ相当)。
しかもすごいのは明るさ。ワイド端がF2.0な上に、テレ端(90ミリ相当)でもF3.3を保持している。望遠側が明るいのは素晴らしい。LX3はテレ端(60ミリ相当)でF2.8だったが、望遠側の伸びた分ほんのちょっと暗くなったのは仕方ないだろう。F3.3でもこのクラスでは最高の明るさだ。
例えばこの写真、レンズが暗いデジカメだとISO1600まであげてやっと、という場所での撮影だが、LX5のワイド側ならISO400でこの瞬間を撮れた。
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