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今日から始める単焦点レンズ(3)――3本の個性派レンズを使うデジイチ初心者応援(3/3 ページ)

» 2011年06月17日 08時30分 公開
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ソフトフォーカスを操る「キヤノン EF135mm F2.8(ソフトフォーカス機構付き)」

 キヤノンのソフトフォーカス機構付きのEF135mm F2.8は、APS-Cサイズセンサーを搭載したカメラに装着すると、35ミリ換算216ミリ相当の望遠レンズとなります。F2.8と明るいので手ブレ補正こそないものの、明るい望遠レンズとして大きなボケのある写真撮影が楽しめるレンズです。

photo キヤノン「EOS Kiss X5」と「EF135mm F2.8(ソフトフォーカス機構付き)」

 ソフトフォーカス効果は、レンズ鏡筒の先端にあるスイッチ付きのリングを回すことで、効果を2段階に調整できます。ソフトフォーカス系の効果を得られるレンズとしてニコンにも「Ai AF DC-Nikkor 105mm f/2D」と「Ai AF DC-Nikkor 135mm f/2D」があります。こちらは、前ボケ/後ろボケのコントロールができる点とF2.0という明るさが特徴となります。

 EF135mm F2.8のソフトフォーカスの効果は強烈で、使いこなすのがなかなか難しい部類のレンズに入るかもしれません。絞り値や被写体の距離に応じて被写界深度(ピントが合って見える範囲)が変わるため、綺麗にソフトフォーカスとなる場合もあれば、ピンボケ写真のような結果となる事もあります。

 F8まで絞るとソフトフォーカスの効果が得られないので、絶妙なソフトフォーカス効果を得るにはなかなか難しいレンズです。

photo 絞り開放F2.8、大口径望遠レンズならではの大きなボケが魅力です。ソフトフォーカス機能を使用しなくても、望遠レンズとして使いたい1本です
photo ソフトフォーカス効果1。ほんの少しだけピントの山が残っている、ソフトフォーカスらしい効果が得られました
photo ソフトフォーカス効果2。効果が強く被写界深度が浅いため、効果を知らない人が見ると単なるピンボケ写真にしか見えない様な写真になってしまいました
photo 絞りF4、解像感のメリハリをもちつつ、背景の大きなボケも得られます
photophoto ソフトフォーカス効果1。F2.8よりピントの合っている部分が見えるため、全体的に柔らかい印象の写真となりました(写真=左)、ソフトフォーカス効果2。ピントの山が少し見える、少し強めのソフトフォーカス写真です(写真=右)

 このように絞り値(被写界深度)によって効果の具合が変わるため、被写体に寄って撮る場合は少し絞る必要があります。ですが、ソフトフォーカスの効果がぴったりとはまると、他のレンズでは得られないオンリーワンの雰囲気を作り出せせます。このレンズは望遠レンズとしてだけではなく、写真力アップアイテムとしても有効な個性派レンズです。

photo 距離が離れていれば被写界深度が深くなるので、ふんわりとした中にも解像感のある写真となりました。映画の朝のワンシーンのような効果にも使えます。 F4 1/1250秒 ISO100
photo 35ミリ換算216ミリ相当の望遠レンズとしても、十分使えるクオリティを持っています F4 1/400秒 ISO100
photo あいにくの天候で光の条件が悪かったのですが、霧の中のような効果を得られました F2.8 1/500秒 ISO100
photo クリエイティブフィルターの「ソフトフォーカス」との違いは、画像合成をしていないため塗りつぶされたようにならず、1画素1画素が解像している点です  F2.8 1/250秒 ISO125

モデル:ようか( http://ameblo.jp/youka999/ )

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