高倍率ズーム「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6」は、1本で幅広い画角に対応する万能選手的なレンズです。下の写真では、テレ側300ミリ相当という焦点距離の長さを生かし、離れた位置にカメラを構え、カメラを意識させない自然な表情を狙ってみました。
ポートレート撮影では、人物の目線がどこを向いているかによって、写真の印象が大きく変化します。写真として最も力強くなるのは、やはりカメラを見つめた写真でしょう。カメラ目線の写真は、人物撮影の基本です。ただし、身体の向きが真正面で、かつ視線がカメラのレンズを見つめていると、ポートレートというよりは、記念写真っぽくなりがちです。
記念写真的にならないようにするには、目線を外した写真、つまり撮られる相手にレンズ以外の方向を見てもらうといいでしょう。といっても、撮影者の指示によって目線を外した場合は、かえってぎこちない表情になりがちです。誰だってカメラを向けられたら、カメラのことを意識するのは普通の反応です。表情が硬くなるのは避けられません。
できるだけ自然な瞬間をとらえるには、撮る側もなるべく自然体でカメラを構えるのがいいかもしれません。今回使用したE-PL2は、ボディもレンズも極めて小型軽量なので、撮影スタイルが大げさにならないというメリットを感じました。自分のフットワークが軽くなるだけでなく、撮られる相手に威圧感を与えずに撮影できるのです。画質や操作性の評価とは別に、写真の出来を左右する重要なポイントといえます。
下の2枚の写真は、今回の撮影での個人的なベストショットです。いわゆる正攻法のポートレート写真とは異なり、気軽に撮ったスナップショットですが、撮影現場で感じた相手の雰囲気がストレートに反映された写真になりました。
モデル:美馬 沙亜弥(オスカープロモーション)
撮影協力:ダイニングバー「トゥワイス・アップ」http://www.twice-up.com
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