ボディ上部のモードダイヤルでは、プログラムAE/絞り優先AE/シャッター優先AE/マニュアル/カスタム1・2/シーンモード/クリエイティブコントロールの計7モードを選べる。クリエイティブコントロールとは、従来のマイカラーモードに相当するもので、色やトーンに独自の味付けを加えたモードのこと。色あせた雰囲気の「レトロ」や、鮮やかな色調の「ポップ」など5種類から選択できる。
絞り値やシャッター速度の調整、および露出補正には、背面右上にある「後ダイヤル」を使用する。感度とホワイトバランス、オートフォーカスモード、ドライブモードの4設定については、それぞれ専用ボタンによるダイレクトアクセスができる。それ以外の機能については、メニュー画面またはクイックメニュー画面からの設定となる。
従来機DMC-G2では、ボディ天面に設けたドライブモードやフォーカスモードのレバーが、操作性を高める大きなポイントだったが、残念ながらDMC-G3ではこれらのレバーは省かれた。小型化にともなって背面ボタンの数も減っている。そのかわりというわけではないが、ボタンのカスタマイズ性は向上した。背面に2つあるFn(ファンクション)ボタンには、自分にとって使用頻度の高い機能を割り当てておくことができる。また、Q.MENUボタンを押した際に表示されるクイックメニューの項目や配列の変更もできる。
ボタンやダイヤルがやや小さすぎて押しにくい弱点はあるものの、全体としては分かりやすく簡潔にまとまった操作系といえる。タッチパネルの機能をOFFにし、すべての操作をボタンとダイヤルで行うことも可能だ。
入門ユーザー向けの撮影モードとしては、フルオートに相当する「おまかせiA」(インテリジェントオート)モードを搭載する。シャッターボタンの横にある「iA」ボタンを押すことで、モードダイヤルの位置に関係なく、瞬時に「おまかせiA」モードに切り替わる。この「おまかせiA」では、人物の顔や動き、風景など8つのシーンを自動的にカメラが判別し、そのシーンに応じて各種の設定を最適化してくれる。
新機能としては「インテリジェントオートプラス」モードを搭載した。これは「おまかせiA」モードを拡張したもので、カメラにシーン認識をさせた上で、「明るさ(露出補正)」と「色合い(ホワイトバランス)」、「ぼけ具合(絞り値)」の3項目を自分の手で調整できるモードのこと。入門ユーザーがステップアップするために役立つだろう。
そのほかには、16種類のシーンモードや、7つの発色傾向を選べるフォトスタイル、400万画素相当で秒間20コマの高速連写、細部のシャープネスを高める「超解像」、周辺減光を補正するシェーディング補正、アスペクト比の切り替え、個人認識などの機能を搭載する
撮像素子には有効1600万画素の4/3型Live MOSセンサーを搭載する。初期設定の画質は、クセのないナチュラルな発色で、シャープネスはやや高め。細部までくっきりと表現できる解像力の高さも確認できる。感度はISO160〜6400に対応。ISO800くらいまでは高感度ノイズはあまり気にならず、ISO1600でも実用レベルといえる。
DMC-G3は、多機能と小型軽量、高画質を兼ね備えたカメラだ。グリップが小さくてホールド性が十分でないことと、従来モデルに比べてバッテリ持久力が低下したことは残念だが、これらの点に納得できれば、趣味として撮影を楽しみたい初級者から中級者までの層にお勧めできる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR