撮影モードは、フルオートに相当する「iAUTO」のほか、プログラムAE、絞り優先AE、シャッター優先AE、マニュアル露出、シーンモード、アートフィルター、動画の全8モードを用意する。絞りやシャッター速度は、背面の十字キーのまわりにあるメインダイヤル、および背面右上にあるサブダイヤルでダイレクトに調整できる。メインとサブの2つのダイヤルを備えることは、下位の「PEN Lite」シリーズとは異なる「PEN」シリーズのメリットだ。
露出補正とストロボモード、AFエリア、ドライブモードの各設定については、背面の十字キーを押して設定する。ISO感度や測光、ホワイトバランス、画質モード、アスペクト比などの他の設定については、十字キーの中央にあるOKボタンを押し、「ライブコントロール」画面を呼び出して設定する。
自分にとって使用頻度の高い機能については、ボタンのカスタマイズ機能を利用して、2つのFnボタンまたはムービーボタンに割り当てておくと便利だろう。従来機に比べて、割り当て可能な機能の選択肢が増えたことはありがたい進化だ。
気になったのは各種のボタンやダイヤルの配置だ。手の大きさによって個人差があるとはいえ、メインとサブの2つのダイヤルの位置は適切とは思えない。従来機から移動した電源ボタンの位置についても、慣れるまでは少々違和感を覚えた。
メニュー画面はデザインを一新し、フォントを変更することで、視認性が向上した。撮影メニュー/再生メニュー/カスタムメニュー/セットアップメニューに分かれたメニューの基本構成はこれまでの製品を踏襲する。これらのメニューから設定できる項目は非常に多く、同社製品を初めて使うユーザーには迷う部分もあるだろう。自分の使い方に応じて、カスタムメニューの各項目をきちんと設定しておくことが、本モデルの使い勝手を高めるカギといえる。
撮像素子には、4/3型有効1230万画素のハイスピードLive MOSセンサーを、画像処理エンジンには「TruePic VI」をそれぞれ搭載する。センサーのスペックは従来製品と同じだが、エンジンの改良によって画質と処理速度が向上した。実写では、細部までくっきりと描写できる解像感の高さと、クリアでクセのない色再現を確認できた。感度は、最低ISO200から最高ISO12800までに対応。ISO800くらいまでは高感度ノイズはあまり気にならずISO1600でも実用レベルといえる。
画質の調整機能としては、ピクチャーモードを搭載する。初期設定の「Natural」では自然な色合いになり、好みに応じて、より鮮やかな「Vivid」や落ち着いた色調の「Flat」、シーンに応じた印象的な仕上がりの「i-Finish」などに切り替えられる。またピクチャーモードの詳細設定から「階調」をオートに設定した場合は、アドバンストSAT(シャドー・アジャストメント・テクノロジー)によって白とびや黒つぶれが最小限に抑えられる。従来機のSAT機能に比べて、その効果はより強力になった。
特殊効果を加える「アートフィルター」機能は全10種類に対応する。さらにアートフィルターに効果を追加する「アートエフェクト」機能としては、画像の周辺部を暗くする「ピンホール」や、周辺部を白くする「ホワイトエッジ」、光の輝きを加える「スターライト効果」など5モードを搭載。新機能のアートフィルターブラケットでは、1回の撮影で効果が異なる複数のアートフィルターの画像を適用して撮ることもできる。
そのほかには、画像のシャドウ部/ハイライト部の明るさを調整するトーンコントロール機能や、画素補間によって2倍のズーム効果を得るデジタルテレコン、3Dテレビで鑑賞可能な3D写真の撮影機能、カメラ内RAW現像、RAW画像の合成などの機能を搭載。動画はAVCHD規格によるフルHD記録に対応する。
これらの多彩な機能を気軽に楽しめることがE-P3の大きな魅力といえる。従来モデルに比べて特にレスポンス面が進化したことで、より快適な撮影が可能になったことや、マイクロフォーサーズの交換レンズが充実してきたこともうれしいポイントだ。
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