Mマウントということで、当然レンズはMF(マニュアルフォーカス)となる。気になるのは、そのMFでピント合わせが上手くできるかどうかだ。
GXR MOUNT A12は、MFをアシストする2つ機能を搭載している。ひとつは、任意の場所を拡大してピントを合わせる拡大表示機能と、もうひとつはフォーカスアシストと呼ばれるコントラストのピークを液晶モニター上に表示する機能だ。
フォーカスアシストは、ピントの山となるコントラストのピークを白く表示するMODE1と、このピークが見やすくなるようにトーンを抑えたモノクロで表示するMODE2が用意されている。試してみたところ、被写界深度の浅いレンズでは効果があるが、広角レンズなど被写界深度が深くボケによるコントラストの低下が望めないレンズでは、理想的な効果を得ることはできなかった。
ピント合わせは拡大表示が一番確実で、8倍の拡大表示にすればピント合わせも簡単だ。この拡大表示はOK/MENUボタン長押しすることで、表示を切り替えることができる。キーカスタムで方向キーの左右に拡大表示を割り振って、ボタンを押すだけで表示を切り替えることもできる。
露出制御はレンズの実絞りによる絞り優先オートで、モードダイヤルのA・P・オートがこれにあたる。マニュアル露出の場合は、ISO感度が手動設定となりシャッタースピードとレンズの絞りで露出をコントロールする。ちょっと特殊なのはシャッタースピード優先オートで、ISO AUTO-HI(最高ISO感度3200まで設定可能)に設定した場合は、シャッタースピードにあわせてISO感度で露出が決定される。
このようにピント合わせは手動、露出制御もプログラムオートのように絞りが自動的に決定されず、絞りリングで適宜絞りを変更しなければならないことが、一見面倒な作業と思えるかも知れないが、実際に使ってみると、ライカレンズの絞りのクリック感や、ピントリングの独特のトルクがそれらを忘れさせ、カメラを操作している感覚を存分に味わうことができる。
ここまで1枚1枚大事に撮るようになると、手間の掛かるホワイトバランスや色味調整までもしながら撮影しようと思えてくるから不思議なものだ。こうしたレンズの作りの良さや、操作感の個性もライカレンズの魅力だ。
モードダイヤルの「SCENE」には、ミニチュアライズ、ハイコントラスト白黒、ソフトフォーカス、クロスプロセス、トイカメラ、電子シャッターなどが用意されている。これらのシーンモードを利用すれば、だれでも簡単に魅力的な写真撮影をすることができる。シーンモードとアスペクト比の変更を組み合わせる事で、さらに個性的な写真撮影が楽しめるだろう。
電子シャッターを選択すると、ユニット内蔵のメカニカルシャッターを使用せずに電子シャッターのみで撮影する。メカニカルシャッターが動作しないためほぼ無音で撮影でき、シャッター速度も最高1/8000秒で撮影できる。しかし、センサーからのデータの読み出しの関係上、動く被写体などはゆがんで写ることがある。
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