もうひとつの注目ポイントは、世界初となる3軸チルト式の液晶モニタを採用したこと。従来製品の上下と左右の動きに加えて、前後方向の可動に対応。つまり液晶を後ろに向かって引っ張り出した上で、上下と左右に動かすことができる。
この3軸チルト式のメリットは、カメラの縦位置/横位置を問わず、常にレンズの光軸付近に液晶モニタを配置できること。しかも、三脚やオプションの縦位置グリップを使用した際でも、液晶の向きと角度を自由に調整できる。もちろん持ち運び時は、液晶面を内側にして折り畳むようにして格納可能だ。
液晶のサイズは3型/約92.1万画素。視認性は屋内/屋外ともに良好といえる。一方のファインダーには、約235.9万画素相当の有機ELビューファインダーを搭載する。従来機のビューファインダーに比べて精細感がアップし、より見やすくなった印象を受ける。
一般的な一眼レフ機の光学ファインダーに比べた場合、撮影時や撮影直後に画面が瞬間的にブラックアウトする時間が長いのは、構造上ある程度は仕方ないのかもしれない。慣れるにしたがって、違和感のない撮影ができると思う。液晶モニタとビューファインダーの切り替えは、手動またはアイセンサーによる自動で行える。
ボディは滑らかな曲面を多用した新デザインを採用。外装は剛性感のあるマグネシウム合金製で、表面はレザートーンのシボ塗装仕上げとなる。ラバーが張られたグリップは手に吸い付くようにフィットし、ホールドバランスは心地よい。
ボディ左肩のモードダイヤルでは、フルオートからフルマニュアルまで全12種類の撮影モードを選べる。フルHD動画のほか、カメラを振るだけでパノラマ写真が撮影できる「スイングパノラマ」や「3Dスイングパノラマ」、高速連写と画像合成によってブレとノイズを低減する「手持ち夜景」モードなど付加機能も満載する。
特殊効果を加える「ピクチャーエフェクト」は全15種類、発色傾向を調整する「クリエイティブスタイル」は全13種類に対応。さらに、スマイルシャッターや個人顔登録、GPS、スマートテレコンバーターなどの機能も備える。
天面や背面の操作ボタンの数はやや多めだ。これは、ISO感度やホワイトバランス、ドライブモードなどをそれぞれの専用ボタンに割り振ることで、各機能をスムーズに変更できるように配慮したためといえる。ISOボタンやAELボタンなどは、自分にとって使用頻度の高い他の機能に割り当てを変更することが可能だ。また背面のFnボタンを押すと、液晶の左右にアイコンが表示され、フォーカスエリアや調光補正、被写体追尾などの設定に素早くアクセスできるようになっている。
気になったのは、撮影後のオートレビュー(アフタービュー表示)をONにして、感度ISO200以上で撮影すると、撮影直後に「ノイズリダクション実行中」の文字が表示されること。オートレビュー表示までの一瞬の時間とはいえ、いちいち文字が現れるのはうるさく感じる。高感度ノイズリダクションは、設定を「強/標準/弱」の3段階から選べるが、OFFにはできない。
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