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» 2012年03月27日 11時00分 UPDATE

20倍ズームだけじゃない、快適機能搭載のサイバーショット「DSC-HX30V」 (1/3)

サイバーショット「DSC-HX30V」は25〜500ミリ相当の20倍ズームレンズも魅力だが、実用性の高い無線LANとGPSの搭載もあり、“この製品ならでは”を体験させてくれる。

[ITmedia]

 ソニー「DSC-HX5V」といえば、高速CMOSを使った連写合成&高倍率ズームレンズ搭載機として2010年春にヒットとなった製品。その直系モデルとしては「DSC-HX10V」が12年春モデルとして用意されているが、さらにレンズ倍率を20倍に高めてGPSを無線LANを搭載した“プレミアム・ハイズーム”がこの「DSC-HX30V」だ。

photo 「DSC-HX30V」 正面向かって右肩にはポップアップ式ストロボを内蔵する

 同時期に登場した無線LAN搭載サイバーショットとしては「DSC-TX300V」(レビュー:未来からやってきた2012年型の快適全部入り――サイバーショット「DSC-TX300V」)もあるが、HX30Vはもう少しコンサバで、付加価値の多い20倍ズーム機といった位置づけになる。

 まずはカメラとしての基本性能、次に付加価値要素を見ていく。

500ミリの20倍ズーム 最大2000ミリ相当まで

 ボディはやや大柄ながら、20倍ズームレンズ搭載を考えると許容の範囲か。同種の20倍ズームレンズ搭載機としてはパナソニック「DMC-TZ30」もあるが、サイズ的にはほぼ同様といえる。TZ30の焦点距離は35ミリ換算24〜480ミリ相当だが、HX30Vは25〜500ミリ相当とわずかながら望遠よりの設定。開放F値はF3.2-5.8で、TZ30のF3.3-6.4に比べるとやや望遠端が明るい。

photophoto ボディは34.6ミリとやや厚めだが、各所に傾斜が設けられておりすっきりとした印象。テレ端時(写真=右)にはレンズがかなり伸びる

 500ミリ相当の光学ズームも強力だが、超解像ズームを併用することで40倍の1000ミリ相当、ある程度の画質劣化を覚悟すれば2000ミリ相当、約80倍のデジタルズームまでも利用できる。新型ジャイロを採用した光学式手ブレ補正(望遠域では電子式併用)を搭載しており、手持ちでのテレ端撮影でもかなりの補正効果を期待できる。

 下の写真は手持ちでの撮影だが、テレ端でも手ブレはほとんど見られない。ただ、さすがに望遠撮影時に手ブレの影響を受けやすいことは変わりないので、脇を締める、カメラを壁などで固定するなどの配慮をしたい。

photophotophoto ワイド端(写真=左)、テレ端(写真=中)、超解像ズームを利用した1000ミリ相当(写真=右)。さすがに超解像を使うとディテールが甘くなるが、十分利用に耐えるレベル。それに記録画素がフル画素(画像サイズは4896×3672ピクセル)なのも超解像ズームのメリットといえる

 ちなみにこれだけの高倍率レンズを搭載しながら、最短撮影距離(レンズ先端)は約1センチとかなり近寄れる。ここまで近寄ると本体の影が被写体に映り込むこともあるが、ズーム倍率を5倍にしても約15センチまで寄れる。被写体との距離を選ばないというのはコンパクトデジカメにとってうれしい仕様だ。

photo レンズ先端1センチまで接近しての撮影が可能だが、上手に位置をとらないとカメラの陰が被写体にかかる

 撮像素子は1/2.3型 有効1820万画素“Exmor”CMOSセンサーで、画像処理エンジンには「BIONZ」を組み合わせる。1820万画素のフル画素記録では画像サイズは4896×3672ピクセルとなり、このセンサーサイズでここまで画素数を上げる必要があるのかという疑問もわくが、ISO感度が最高12800まで上がっておりここは歓迎したい。

 ただ「ISO12800」といっても撮像素子側で対応しているのではなく、撮影時に画素加算によって感度を上げた画像サイズの小さな写真を撮影し、そこへノイズ低減と全画素超解像による画素数復元を行い、最大ISO12800の画像を作り出すという処理を経る。ISO12800時はノイズも少なくなるが、さすがにのっぺりした絵になるが、撮れるということを評価するべきだろう。

 撮影モードダイヤルには、サイバーショットではおなじみの「プレミアムおまかせオート」「おまかせオート」などが用意される。プログラムオート(P)はあるが、絞り優先(A)/シャッタースピード優先(S)を用意していないのはHX5Vから継承されており、ここは同じ20倍ズームレンズを搭載するパナソニック「DMC-TZ30」(レビュー)との違いとして挙げることもできる。

photophoto モードダイヤル(写真=左)、「CUSTOM」ボタン(写真=右)

 プレミアムおまかせオートは状況に応じて連写合成も自動的に行われるほか、十時キー下で「マイフォトスタイル」を呼び出せば「明るさ」「色合い」「鮮やかさ」を変更するほか、トイカメラなどのエフェクトを施す「ピクチャーエフェクト」も適用できる。背景ぼかしや3D、パノラマなど特殊な撮影以外はほぼカバーできるので、通常時はプレミアムおまかせオートを選択しておけば困ることは少ない。

 なお、モードダイヤル「MR」にはカスタム設定を保存可能なほか、「CUSTOM」ボタンには「露出補正」「ISO」「ホワイトバランス」「測光モード」「スマイルシャッター」のいずれを割り振ることもできるが、基本的にはフルオート指向の強いユーザーインタフェースといえる。

 背面には3型(92万画素)の「TruBlack液晶」を搭載する。高精細で視野角も広くて見やすいのだが、表面に指紋が付きやすいのはちょっと気になる。背面には録画ボタンも用意されており、押すことでAVCHDもしくはMP4での動画撮影が開始される。AVCHD時には1080pのプログレッシブ記録も行える。

photo 背面には3型(92万画素)の「TruBlack液晶」を搭載する

 動画サイズの変更は「MENU」ボタンでオーバーレイ表示されるメニューから変更できるが、AVCHD/MP4の変更については「MENU」「設定」と階層をたどる必要がある。なお、動画撮影中にシャッターを押すと静止画のキャプチャーが行われる。キャプチャーの画像サイズは13M(16:9)/3M(16:9)/10M(4:3)/2M(4:3)から選択可能できる。

 1080p動画を含む撮影機能についてはその多くをHX9Vから継承しており、そうした意味では新鮮さに乏しいのだが、動作の軽快感は大きく向上している。HX9Vでは撮影モード変更や録画開始の際、ワンテンポ待たされる感があったのだが、HX30Vではそうしたタイムラグを感じない。特にアピールされているポイントではないのだが、評価したいポイントだ。

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