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» 2012年10月04日 21時06分 UPDATE

軽快さを高めた明るいレンズの多機能コンパクト――キヤノン「PowerShot G15」 (1/3)

携帯性と画質、それに操作性という要素のハイレベルな融合を目指したPowerShot Gの伝統を受け継ぐ存在、それが「PowerShot G15」だ。

[渡邊宏,ITmedia]

 一眼レフを持ち歩くほどではないけれど、フルオートのカメラはちょっと物足りない。キヤノン「PowerShot G」シリーズはそんなニーズに応える製品として、2000年の「G1」から系譜を紡いできた。2009年の「G12」はバリアングル液晶に2段重ねのISO感度/撮影モードダイヤルといったシリーズの特徴を引き継ぎ、1/1.7型 有効1000万画素CCDとDiGiC 4を組み合わせた「HS SYSTEM」などを備えたフラグシップとして登場した。

 そして2012年、“コンパクトデジカメでキヤノン史上最高画質”として「PowerShot G1 X」が登場した。確かに1.5型という大型センサーによる画質は“コンパクト”という言葉から想像できないものだったが、大型センサーと大口径レンズの採用によってボディは大きくなり、携帯の気軽さという意味ではG12から後退してしまった。

 そこに登場したのが、機動力を重視した「G12」の後継製品、「PowerShot G15」だ。

photo 「PowerShot G15」

「G12」直系、携帯性の高いクラシカルデザイン

 外観は「オーセンティックデザイン」と同社が呼称する意匠を継承しており、一目でGシリーズだと分かる。厚さ41ミリのボディは携行に苦労するほどではないが、胸ポケットへ入れるには無理がある。精かんかつ、重厚なデザインを生かすために革製のストラップやボディケースと組み合わせたいところだ。

 G12に比べると、2段重ねのISO感度/撮影モードダイヤルは廃止され、シャッターボタン側に露出補正と撮影モードダイヤルが配置され、露出補正ダイヤルがおかれていた逆側の肩にはポップアップ式のストロボが内蔵された。グリップ上部の電子ダイヤルはG12と同様に配置されている。

photophoto 露出補正と撮影モードダイヤルは一部が重なるようにレイアウトされている。露出補正ダイヤルはやや飛び出しており、ホールド時に右手親指の腹で操作できる

 適度な厚みを持つこともあり、また、動画撮影ボタンの左にはラバーが張り付けられていることもあってホールド性は優秀。グリップ上部に電子ダイヤルがあることからカメラを構えたまま片手でAv時には絞り値を、Tv時にはシャッタースピードなど主たるパラメータを操作できる。利用頻度の高い機能を割り当てられるショートカットボタンや、撮影モードダイヤルに任意の各種設定までまとめて2つ登録できる「C」(カスタム)モードが用意されていることあり、カスタマイズ性も高い。

photophoto 電源連動式のレンズバリアも前モデルゆずり(写真=左)、背面液晶は固定式。ショートカットボタンに割り当て可能な機能の数も多い(写真=右)

 3型/92万画素の背面液晶はG12のバリアングルから固定式に変更された。Gシリーズでは2000年の初代機から2004年の「G6」までがバリアングルで、その後、2006年の「G7」から2008年の「G10」までは固定式。そして2009年の「G11」と2010年の「G12」は再度バリアングルが採用されており、固定式の採用は4年ぶりとなる。機能面だけで言えばバリアングルに軍配が上がるといえるものの、可動機構の搭載でボディの大型化と重量増は避けられない。G15の固定式採用はあくまでも軽快さ、機動力のアップが製品キャラクターとして重要な位置を占めることを伺わせる。

 ファインダーはG12から引き続き実像式のズームファインダーを搭載しており、視野率は80%。フィルムカメラの感覚で撮影できるというメリットもあるが、画角によってはケラレも発生するので、ここは思い切ってEVFを搭載して欲しかったという気持ちもある。

 G12に比べるとISO感度ダイヤルが無くなったことを残念に思う気持ちもあるが、(配置は若干違うものの)G1 Xと同様の操作系に統一されたともいえる。加えて、左肩に露出補正ダイヤルを搭載していたG12に比べて操作系が右側に集中したことで、片手でグリップしたまま素早い調整が可能となったほか、シャッターボタンもに比べて大型化されており、撮影時の安定感が高くなっていることも書き添えたい。

photophoto ホールド時、右手親指と人差し指で操作できる部分にダイヤルが集中している(写真=左)、付属バッテリーは「NB-10L」で撮影可能枚数は約350枚(CIPA基準)
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