前モデル(といっていいのか)V1からV2で一番変わったのがボディのデザイン、というよりコンセプトそのもの、といっていいかもしれない。V1はJ1の兄貴分的モデルで、フルオートメインのJ1に、EVFとメカシャッターがついたものだった。V2はそこをがらっと変え、上位モデルらしくマニュアル系撮影をメインに作り直したのだ。V1とはまったく別のカメラと思っていい。
撮影モードダイヤルも見直され、Nikon 1ならではのモーションスナップショットやベストモーメントキャプチャーに加え、P/A/S/Mの4つが追加された。凝った撮影をしたい人には大変ありがたい。
さらにクリック付の電子ダイヤルも新たに装備。絞り値やシャッタースピードのほか、P/A/S/Mモード時はFキーを押すとクリック付ダイヤルだけでISO感度、露出補正、ホワイトバランス、ピクチャーモードなどを切り替えられる。慣れれば右手親指だけでさっと必要な調整をできるようになるだろう。まだ同社の一眼レフに比べると操作系にぎこちなさを感じるが、V1に比べると雲泥の差だ。
疑問なのは、「クリエイティブモード」がないこと。J2ではパノラマ撮影や連写+合成の夜景、HDR、ミニチュア風などがクリエイティブモードの中に用意されたが、V2にはない。ちょっと残念。ただ、HDRはオートモード時にメニューからオンにすることで利用できるので必要に応じて使いたい。
従来のスマートフォトセレクターは、ベストモーメントキャプチャーモードの機能のひとつになった。スマートフォトセレクターは電子シャッターで高速連写を行い、その中で「カメラが選んだ」ベストショットを5枚だけ記録するという機能。目をつぶってないか、メインの被写体がフレームアウトしてないかなどを判別しているようだ。
ベストモーメントキャプチャーモードに新追加されたのが「スロービュー」。半押しをするとその間の動きをバッファに溜め、次に約1.3秒(40コマ分)をスローで再生。それを見ながら、ここだという瞬間でシャッターを押しきるとそれが記録されるという機能。いずれにせよ、動きの中の一瞬をとらえたいというNikon 1の思想を具体化したものと思っていい。
もうひとつNikon 1の特徴的な機能といえば、モーションスナップショット。シャッターを切った瞬間の前後1.6秒を動画で撮り、それを2.5倍のスロー動画として記録し、BGM付のスローモーション動画+静止画で記録する。
従来は独自形式のファイルで保存されるため、カメラ上、あるいはパソコン上ではNikon純正ソフトでしか再生できなかったが、今回、それをH.264のMOVファイルとして記録できるようになった。作成したモーションスナップショットをパソコン上の任意のソフトで再生したり、Webにアップしたりしやすくなったのだ。記録にH.264を選んでいると撮影保存時にちょっと待たされるが、汎用性が上がったのは素晴らしい。
動画はフルHD動画でH.264のMOVファイル。1080/60iでの出力も可能だ。動画撮影中にシャッターを押すと、静止画も同時に記録できる。それも16:9ではなくフルサイズ(4608×3072ピクセル)の静止画を残せるのはよい。動画も静止画もという人には最適。
アドバンスト動画モードでは、絞り優先、シャッタースピード優先で録画できるほか、ハイスピード動画(640×200/400fpsと320×120/1200fps)の記録も可能。個人的には、640×480/120fpsのようなスピードは落ちてもいいから、もうちょっと大きなサイズのハイスピード動画も欲しかった。ちょっと残念なところか。
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