操作面では、背面右下の「Q」ボタンを押してクイックメニューを呼び出せるようになったことが新しい。クイックメニューでは、ダイナミックレンジやノイズリダクション、画像サイズなど主に画質や発色に関する16の項目が表示され、十字キーとコマンドレバーを使って各値をダイレクトに切り替えられる。
さらに操作の細かい部分にまでブラッシュアップが行われている。例えば、背面の左側にあったAFボタンの位置が、背面の右側(十字ボタンの上)に移動したことで、右手のみで素早くAF測距点の選択が可能になった。また、側面のフォーカスモードの並び順を変更したことでAF-SとMFの切り替えが容易になったことや、ファインダーに指紋がつきにくく汚れが取れやすい独自のコーティングを適用したことなどもうれしい改良だ。
トータルとしては、画質とスピードという基本部分を確実に向上させたモデルチェンジであり、カメラとしての完成度はいっそう高くなったといえる。欲を言えば、手ブレ補正の採用が見送られたのが残念だ。クラシックカメラ風の外観は人によって好みが分かれるが、一貫したデザインコンセプトは非常に明確で潔い。
高画質と取り回しのよさを兼ね備えたスナップカメラとして、趣味として写真撮影を楽むのに打って付けだ。ミラーレスカメラとは違ってレンズ交換ができず、ズームも搭載していないが、それを制約とは思わず、工夫して撮ることが面白いと感じる人にこそお勧めしたい。
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