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画質とスピードを高めたレトロデザインの高級コンパクト――富士フイルム「X100S」(3/3 ページ)

» 2013年03月22日 00時05分 公開
[永山昌克,ITmedia]
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ブラッシュアップされた細部の操作性

 操作面では、背面右下の「Q」ボタンを押してクイックメニューを呼び出せるようになったことが新しい。クイックメニューでは、ダイナミックレンジやノイズリダクション、画像サイズなど主に画質や発色に関する16の項目が表示され、十字キーとコマンドレバーを使って各値をダイレクトに切り替えられる。

 さらに操作の細かい部分にまでブラッシュアップが行われている。例えば、背面の左側にあったAFボタンの位置が、背面の右側(十字ボタンの上)に移動したことで、右手のみで素早くAF測距点の選択が可能になった。また、側面のフォーカスモードの並び順を変更したことでAF-SとMFの切り替えが容易になったことや、ファインダーに指紋がつきにくく汚れが取れやすい独自のコーティングを適用したことなどもうれしい改良だ。

 トータルとしては、画質とスピードという基本部分を確実に向上させたモデルチェンジであり、カメラとしての完成度はいっそう高くなったといえる。欲を言えば、手ブレ補正の採用が見送られたのが残念だ。クラシックカメラ風の外観は人によって好みが分かれるが、一貫したデザインコンセプトは非常に明確で潔い。

 高画質と取り回しのよさを兼ね備えたスナップカメラとして、趣味として写真撮影を楽むのに打って付けだ。ミラーレスカメラとは違ってレンズ交換ができず、ズームも搭載していないが、それを制約とは思わず、工夫して撮ることが面白いと感じる人にこそお勧めしたい。

作例

photo 絞り優先AE(F5.6 1/280秒) 露出補正:+0.6 ISO200 WB:晴天
photo 絞り優先AE(F4 1/200秒) 露出補正:±0 ISO200 WB:オート
photo 絞り優先AE(F2 1/50秒) 露出補正:±0 ISO800 WB:オート
photo 絞り優先AE(F2 1/58秒) 露出補正:±0 ISO3200 WB:色温度
photo 絞り優先AE(F4 1/110秒) 露出補正:+0.3 ISO200 WB:晴天
photo 絞り優先AE(F8 1/60秒) 露出補正:-0.6 ISO320 WB:色温度
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