無線LANも内蔵しており、撮影した写真や動画をスマートフォンなどへ転送できる。
使い方はまず再生画面にして、十字キーの上ボタンを押す。すると無線LANの設定画面になり、大きめのアイコンが並ぶ。アイコンは「カメラ」「スマートフォン」「PC」「プリンタ」「インターネット」の5種類を示しており、無線LANを使ってこれらに画像を転送できるようになる。やはり一番使いたいのはスマートフォンとの連携機能だろう。
スマートフォンへの転送はiOS/Androidに対応した「Canon CameraWindow」が必要なので、事前に入手しておく。SX280 HSを再生画面から無線LAN設定画面としたら、スマートフォンアイコンを選択、すると「接続先の機器の選択」画面になるので、初回利用時はまずスマートフォンを登録する。すると無線LANが起動してカメラがアクセスポイントとなり、画面にはSSIDと暗号化キーが表示される。
次はスマートフォンの操作だ。スマートフォンの無線LAN設定を呼び出して、画面に表示されたSSIDと暗号化キー(パスワード)を使って接続する。接続されたら、CameraWindowアプリを起動すれば、カメラとスマートフォンが1対1で接続される。
接続されると、カメラ内の画像をスマートフォンから閲覧し、そこから好きな画像を転送できる。フルサイズの画像や動画を転送することもできるし、画像を2Mサイズなどの小さいサイズにリサイズしてから転送することも可能。そのままSNSやブログに投稿するだけなら、リサイズしてしまった方が、カメラからスマートフォンへの転送も、スマートフォンからSNSなどへの投稿にも時間がかからず便利だ。
スマートフォンへの画像転送をせずに、スマートフォンのカメラで撮った方が楽という考え方もあるだろうが、なんといってもSX280 HSは25ミリ相当から光学20倍ズームを搭載し、加えて高速なオートフォーカスや強力な手ブレ補正などによって、スマートフォンカメラにはできない撮影がこなせる。ただ、試用した限りCanon CameraWindowがiPad miniやAndroid 4.1を搭載したHTC J butterfly、Xperia Zではうまく動作しなかった。iPhone 4ではきちんと動作しており、少々安定性が気にかかるところだ。
SX280 HSはGPSも内蔵しており、撮影時に画像に位置情報を記録することができ、PCやスマートフォンに転送した際に、地図上に画像を表示することができ、「どこで撮影したか」という思い出を振り返ることができる。特に旅行先で便利だろう。
位置情報の取得をカメラ本体で行えるのは便利だが、屋内などGPSを利用できない場所もある。そこで利用したいのが、先ほどのアプリ「Canon CameraWindow」だ。このアプリにはスマートフォンの位置情報機能を使ってGPSログを記録しておく機能も備えており、転送した写真へタイムスタンプを元にした、位置情報を追記することができる。
スマートフォンは位置情報の取得についてGPSだけではなく、携帯電話の基地局、可能であれば無線LANという、3種類の方法を用いるため、カメラのGPSが位置を検出できない場合でも、位置を取得できる可能性が高い。ただ、この方法では常時GPSを起動する状態となるためにスマートフォンのバッテリを消費する。カメラ側のGPSと併用しながらの利用が現実的だろう。
PowerShot SX280 HSは、広角から超望遠まで使える高倍率ズーム機ながら、ポケットにも入るコンパクトサイズを実現。さまざまなシーンで活躍するカメラだ。オートでカメラ頼りの撮影だけでなく、P/Tv/Av/Mのマニュアル撮影も可能で、幅広く活躍できる。最近の流行である無線LAN経由でのスマートフォンとの連携機能もサポート。「スマートフォンのカメラを拡張するカメラ」としても活躍できる。
高倍率ズーム機ならば他社製品も含めて数多く存在するが、やはり、ボディのコンパクトさを保ったままで動画性能を大幅に強化したのが大きなポイントといえよう。特に手ブレ補正は強力で、ムービーカメラとしても十分であるほか、MP4記録なので記録後の活用が容易なのも見逃せない。
電源オンからズーミング、AF、そして撮影までの一連の動作が機敏なのもうれしいところ。しかも本体サイズは106.4(幅)×62.8(高さ)×32.6(奥行き)ミリ、約233グラム(バッテリー「NB-6L」、SDメモリカード含む)と、ポケットに入れて常に持ち歩ける。普段のスナップ撮影から旅のお供まで、いつでも使えるスキのない常用カメラといえよう。
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