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「EOS 70D」をEOS 7Dユーザ目線で評価する(2/5 ページ)

» 2013年09月26日 11時38分 公開
[野村シンヤ,ITmedia]

ライブビュー撮影が楽しくなるほどのAF速度向上

 ライブビューに関してはEOSシリーズはAFの遅さがネックと言われていた。それを改善するために70Dに導入されたのが「デュアルピクセルCMOS AF」。1つの画素を2つのフォトダイオードで構成することにより、位相差AFと同じ原理で合焦動作を行う。これにより、ライブビュー時においてフォーカス速度が劇的に向上する。

 試してみると、これがかなり快適に動作してくれる。従来までのデジタル一眼レフカメラのライブビュー時のAFは数秒必要としていたが、70DではすぐにAFが合う。コンパクトデジカメ並みとは言わないが、それでも1秒かかるかかからないかくらい。また、メニューにある「コンティニュアスAF」もデフォルトでオンになっており、フォーカシングエリアを常に合わせ続けてくれるのも実際の撮影時における時間の短縮に役立っている。さすがに4年前の7Dではこうはいかず、最新機のすごさが伝わる。

photophoto タッチパネルを搭載しているので、画面に指先を触れるだけでシャッターを切ることも可能。ただし、反応がよいので、不用意なシャッターを切らないためにも普段はオフでいいだろう。撮影画面の左下に表示される画面に指先を触れているアイコンをタッチして切り替えることもできる
photo ライブビューのAFに関しては従来と比べものにならないくらい合焦が速くなっている。また、常にコンティニュアスAFが作動しているのも素早くピントが合う仕組みの一つなのだが、動作音の大きいレンズだとかなり耳障りなので、その場合は機能をオフにしよう

満足できる、強化されたAF機能

 70Dは7Dと同じく19点測距のAFセンサーを持ち、全測距点でF5.6光束対応のクロス測距が可能。さらに中央測距点にはF2.8光束対応のデュアルクロスセンサーを採用している。測距モードも「1点AF」「ゾーンAF」「19点自動選択AF」の3パターンが用意されており、7Dに搭載されていて70Dにないのは「領域拡大AF」と「スポット1点AF」の2種類のみ。もともと、この2つはカスタム機能から設定するもので、あまり使用頻度も高くなく、搭載している3つのモードで十分だろう。

 また、測距モードを切り替えるのを7Dと似たような感覚でできるのはうれしい。具体的には、70Dにもシャッターボタンのすぐ近くに「測距エリア選択モード切り替えボタン」が配置されており、これを押すことですぐに切り替えられる。7Dでは「マルチファンクションボタン」と言われているもので、こちらはさまざまな機能を割り当てられる分、測距モードを選択する際には「AFフレーム選択ボタン」を押してから操作しなければいけないので、70Dの方が分かりやすい操作性といえよう。

 AIサーボのアルゴリズムはEOS-1D Xにも採用されているものを搭載しており、AIサーボ特性のカスタマイズも細かく設定できるので、動きものをよく撮る人にとってはありがたい。このように、AFまわりは7Dに非常に近いので、実際に撮影していても非常にストレスなく、楽なピント合わせができた。感覚的には、新しい70Dの方がやや上かも、と思えるほどだ。

photo 7Dユーザーにはおなじみの測距エリア切り替えボタンがシャッターボタンの近くにある
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 なお7Dと同様にカスタム機能でAFのAIサーボの挙動に関しては、かなり細かく設定できる。ただ、「被写体追従特性」や「速度変化に対する追従性」など、初めてこの言葉を聞く人にとっては少々難解な項目でもあり、説明書にも記載されているがイマイチピンとこないと思うので、同社Webサイトで紹介されている「EOS-1D X AF設定ガイドブック」(リンク先PDF)を見てみよう。1D X用を使うプロ向のものだが、シーン別に説明されているので参考になる。

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