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» 2013年11月18日 13時54分 UPDATE

ローパス効果が選べる高解像一眼レフ――リコーイメージング「PENTAX K-3」 (1/4)

近ごろはローパスフィルターを省くことで高解像を実現したデジカメが増えている。中でも「PENTAX K-3」は、ローパス効果のオン/オフが選べるユニークな新機能を搭載。その性能を検証してみよう。

[鈴木吾郎,ITmedia]

手ブレ補正の応用から生まれたユニークな新機能

 リコーイメージング「PENTAX K-3」(レビューまとめはこちら)は、ペンタックスブランドの一眼レフ「K」シリーズ最新作だ。約1年前に発売された「PENTAX K-5 II」と「PENTAX K-5 IIs」の後継製品であり、基本デザインを継承しつつ、CMOSセンサーや画像処理エンジン、AFセンサー、連写などのブラッシュアップを図っている。

photo リコーイメージング「PENTAX K-3」18-135WR レンズキット(レンズは「smc PENTAX-DA 18-135mmF3.5-5.6ED AL [IF] DC WR」)

 新搭載したさまざまな機能の中で、まず注目したいのは「ローパスセレクター」と呼ばれる同社オリジナルの試みだ。これまでの一般的なデジカメは、光学ローパスフィルターを撮像素子の前面に配置することで入射した光を分散し、モアレや偽色の発生を抑えていた。しかし、光学ローパスフィルターには解像感を低下させるデメリットもある。そこでK-3では、光学ローパスフィルターは搭載せず、その代わりに撮像素子をサブピクセル単位で微少駆動させることで、光学ローパスフィルターと同等の効果を実現した。

photo 「ローパスセレクター」機能の概要

 つまり従来モデルでは、ローパスフィルター搭載のK-5 IIと、ローパスフィルター非搭載のK-5 IIsという2つの製品に分かれていたが、今回のK-3では、ローパスの効果を撮影機能ローパスセレクターとして選択できるようになったのだ。

 設定方法は、撮影メニュー内にあるローパスセレクターから、効果なしの「OFF」、または効果の弱い「TYPE 1」、効果の強い「TYPE 2」の3つから選択するだけ。メニューを呼び出さず、コントロールパネル画面からダイレクトに切り替えることも可能だ。

photophoto 撮影メニュー内にあるローパスセレクターの選択画面(写真=左)、コントロールパネルを表示し、十字キーとダイヤルで設定することもできる(写真=右)
photophoto ローパスセレクター:OFF
photophoto ローパスセレクター:TYPE 1
photophoto ローパスセレクター:TYPE 2

 上の作例では、橋の上部にあるケーブルが密集した部分や、画面中央やや右の橋の欄干部分に、ローパスセレクター「OFF」では青やピンク色のうっすらとしたモアレが生じている。TYPE 1を選ぶとそれが軽減され、TYPE 2ではほぼ目立たなくなっている。

 一方で下の作例では、人形の背景に敷いた黒い布のところどころに同じく機能OFFでは、縞模様のモアレが発生している。この場合も、TYPE 1では少し抑えられ、TYPE 2ではほぼ気にならないレベルに解消されている。モアレの低減にともなって、解像感が少し低下していることも分かるはず。なお、この作例ではストロボを使っているが、ストロボ撮影でもはっきりとした効果があるようだ。

photophoto ローパスセレクター:OFF
photophoto ローパスセレクター:TYPE 1
photophoto ローパスセレクター:TYPE 2

 ローパスセレクターは、以前から同社の一眼レフ「K」シリーズに搭載されているセンサーシフト式の手ブレ補正機構「SR(シェイクリダクション)」の応用から生まれた機能だ。SRは、これまでに自動水平補正や構図微調整、アストロトレーサーなども転用されてきたが、今回は振動によってローパス効果を作り出すという非常にユニークなアイデアといえる。

 普段は初期設定であるローパスセレクターOFFで使用し、建物や布地といったモアレが生じやすい被写体を撮る際には、TYPE 1またはTYPE 2に切り替えるという使い方がお勧めだ。モアレの有無は、再生の表示倍率を100%にすることで、カメラ上にて確認できるので、撮影後にチェックして気になる場合のみ、TYPE 1やTYPE 2に変更して撮り直すのもいいだろう。

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