富士フイルムの新しいミラーレスカメラ「FUJIFILM X-T1」を使ってみた。同社独自の撮像素子「X-Trans CMOS II」センサーを継承しつつ、新開発の電子ビューファインダーを搭載した本格モデルである。
実機を手にしてまず目を引くのは、フィルムカメラを思わせるクラシカルなデザインだ。ペンタプリズム風の台形をボディ天面中央にあしらった上で、その左右にシャッタースピードダイヤルや露出補正ダイヤル、ISO感度ダイヤル、測光ダイヤル、ドライブダイヤルなどを配置。昔ながらの一眼レフスタイルのデザインであり、1970年代に発売された同社の一眼レフ「フジカST」シリーズを連想する人もいるだろう。
外装には高品位なマグネシウムダイキャストを採用する。ボディカラーは黒一色。各種のダイヤルはアルミの削り出しとなり、前面から側面、背面にかけてはシボ革風の素材を張り付けて、手触りを高めている。グリップ部分は大きく膨らんでいて、ホールド感は良好。筆者の大きめの手にもしっくりとなじむ。オプションのハンドグリップや縦位置バッテリーグリップを装着することも可能だ。
シャッターボタンの回りにある電源レバーを回すと約0.5秒で素早く起動し(ハイパフォーマンスモード時)、液晶モニターが表示される。液晶には、3型/約104万画素のチルト可動式TFTを搭載。表示の精細感は高く、発色はクリアだ。屋外での視認性はまずまずといったところ。カメラに顔を近付けるとアイセンサーが反応し、液晶表示から電子ビューファインダー表示へと自動的に切り替わる。
感心したのは、電子ビューファインダーの見やすさだ。世界最大をうたう倍率0.77倍の有機ELファインダーであり、その大きな表示には、のぞいた瞬間にハッとするような驚きを感じた。大きさに加え、表示の精細感や追従性も優秀だ。さらにユニークなのは、マニュアルフォーカスの際に、ファインダーを2画面に分けて表示できること。大きな画面に全体を表示しつつ、小さな画面には部分拡大などを表示できる。
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