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» 2014年06月25日 00時00分 UPDATE

必要なのは写真への好奇心だけ 深い写真表現を実現する、斬新デザインの新「dp」――シグマ「SIGMA dp2 Quattro」 (1/3)

大型センサーに高性能単焦点レンズという「高級コンパクト」のトレンドを作った、シグマ「dp」がフルチェンジ。Quattroとして眼前に現れた。dpらしさを引き継ぎ、扱いやすさを増したファン待望の1台だ。

[三井公一,ITmedia]

 CP+2014 で会場の話題をさらった「SIGMA dp2 Quattro」がいよいよ発売される。シグマ「DP」シリーズと言えばいわゆる「高級コンパクトカメラ」の元祖である。その画質は中判カメラ並の描写を誇ることはご存じだろう。DPシリーズはローパスレスの大型APS-Cセンサーに高性能な単焦点レンズを組み合わせるという現在のトレンドを作ったカメラなのだ。

photo 「SIGMA dp2 Quattro」

斬新さと実用性を両立したボディ

 その最新型となるdp2 Quattroの特長はなんといってデザインだ。薄くなったボディにグッと後方にせり出したグリップ。コンパクトカメラとは思えない迫力のあるレンズ部は人の目を引きつける。奇抜に思えるレイアウトだが、これは確実にカメラを両手でホールドできる、という設計理念に基づいたものだという。

 「角張っていて持ちにくいのでは?」と思って手に取ってみる。左手でレンズ部をホールドし右手でスクエアなグリップ部に手を添えると、なるほどしっくりくる。グリップは懐が深く様々な持ち方ができるので、撮影スタイルに応じて握り分けができるのだ。まるでロードバイクのドロップハンドルのようと言ったら分かりやすいだろうか。

 シャッターボタンと同軸に設けられたダイヤルと追加されたダイヤルの操作性もすこぶる良い。人差し指と親指でカチカチと絞り値や露出補正を的確にカメラに伝えることができた。

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 磨きをかけた写りも素晴らしい。「Quattro」という名称の由来となった三層構造の「Foveon X3 ダイレクトイメージセンサー」は今回新たに1:1:4方式を採りいれて、輝度情報はトップ、色情報はトップ、ミドル、ボトムで取り込むようになった。

画像処理エンジンは「TRUE(Three-layer Responsive Ultimate Engine)III」となり高速化され、これによって画像ファイルの肥大化を避けながら、解像感および高感度特性の向上、データ処理の高速が実現したという。

 DP2 Merrill で定評がある30ミリF2.8(35ミリ換算45ミリ)レンズの光学系の変更はない。中判を越える画質を実現できるようにと工場で確実に「Foveon X3 ダイレクトイメージセンサー Quattro」とアライメントされて出荷されるが、フィックスされた単焦点レンズと高解像度センサーのマッチングによる画質にはほれぼれするほどだ。

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 またDP2 Merrillと比較してAF速度が向上したことも見逃せない点だろう。AF補助光がレンズ前面横に配置され、レンズ駆動系がボディから鏡筒部にレイアウトされたので、やや太めのルックスとなったがこれによってホールド感が向上した。

 使い勝手も大幅に向上している。前述の通りグリップ部に搭載された2つのダイヤルで各種設定や補正値をカメラに伝えられるようになったほかメニュー部も見直された。特に「QS」ボタンで呼び出す「クイックメニュー」は従来と違って一画面化され、より素早く的確に設定変更ができるようになった。

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 ただひとつ残念なのはカードスロットがボディ側面に配置されたこと。慣れの影響もあるがどうしてもカードをカメラから出すときに無意識にグリップ底部にあるバッテリースロットを開けてしまうのだ。しかも側面のそのフタがヒンジで開くのではなく、ラバー製で「ビヨーン」と開くタイプなのである。

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 ボディのデザインと質感が大幅に良くなっているだけに、撮影後に必ずアクセスするカードスロットがこういう仕様なのは残念だ。できればバッテリースロットは節度感のあるフタを採用して独立させるか、従来通りバッテリースロットと同位置に設けて欲しかった。それでボディの左右には、光軸の延長線上に三脚穴を装備するとより撮影もしやすく、斬新さを出せたようにも思う。

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