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» 2014年09月17日 13時49分 UPDATE

キヤノン デジタルカメラ新製品発表会:4人の写真家が語った、撮影の現場で発揮される「EOS 7D Mark II」の魅力とは (1/2)

野鳥、鉄道、スポーツ、飛行機、野生動物、モータースポーツを撮る人をメインターゲットに据える「EOS 7D Mark II」は、実際の撮影シーンでどんな活躍を見せたのか。作品を撮影した写真家がその率直な感想を語った。

[園部修,ITmedia]

 キヤノンは9月16日、「EOS 7D Mark II」「PowerShot G7 X」「PowerShot SX60 HS」や新しいEFレンズなどを披露する新製品発表会を開催した。発表会の様子は別記事で詳しく伝えるが、ここではトークセッションの様子をお届けしよう。

 EOS 7D Mark IIは、高速なAFと高速な連写を大きな特徴としており、「このカメラでしか撮れないものが撮れる」ことが大きなウリ。決定的瞬間やチャンスを逃したくない人のカメラとしてアピールするため、“動きモノ”と呼ばれる被写体を撮影する人をメインターゲットに据えている。動きモノとは「野鳥」「鉄道」「スポーツ」「飛行機」「野生動物」「モータースポーツ」などが代表格だ。

 では、実際に野鳥、鉄道、スポーツ、飛行機、野生動物、モータースポーツをEOS 7D Mark IIで撮るとどんな写真が撮れるのか。各ジャンルの第一線で活躍する写真家14人が、EOS 7D Mark IIで撮り下ろした写真が、スペシャルサイトのギャラリーで公開されている。ちなみにカタログも通常のものに加えて、表紙に野鳥、鉄道、スポーツ、飛行機、野生動物、モータースポーツの印象的な写真を配した7種類が配布される予定だ。

EOS 7D Mark IIEOS 7D Mark II EOS 7D Mark IIの製品カタログは、ターゲットユーザーに合わせた7種類の表紙が用意される。「野鳥」「鉄道」「スポーツ」「飛行機」「野生動物」「モータースポーツ」の各ジャンルで活躍する写真家が作品を撮影した

 このギャラリーのために作品を撮った14人の写真家のうち、4人がトークセッションに登壇した。司会進行はアイ・イメージング・フラッグ代表の石田立雄氏。石田氏からEOS 7D Mark IIの魅力を聞かれ、野鳥を撮る戸塚学氏、鉄道を撮る長根広和氏、スポーツを撮る中西祐介氏、そして飛行機を撮るルーク・オザワ氏が、EOS 7D Mark IIの魅力をこんな風に語った。

EOS 7D Mark II キヤノン デジタルカメラ新製品発表会のトークショーで、第一線で活躍する写真家がEOS 7D Mark IIの魅力を語った

「縦位置で飛ぶところが撮れるなんてなんてことだと思った」戸塚学氏

戸塚学氏 戸塚学氏

 野鳥を主な被写体とする戸塚学氏は、冒頭の自己紹介で「今まで5年間、先代のEOS 7Dを使っていました。APS-Cセンサーを搭載したカメラは、焦点距離が1.6倍になるので、普段寄れない野鳥にすごく寄れるんです。7Dは連写が8コマ/秒だったのですが、野鳥を撮るのに適したカメラでした。非常に素直でいいなというイメージがありました。7D Mark IIはいい意味ですごく進化していて驚きました。うれしくてワクワクする気分を味わいました」と話した。

 また、普段の撮影ではEOS 5D Mark IIIも使うという戸塚氏は「5D Mark IIIは連写が6コマ/秒なので、鳥が羽ばたく瞬間を撮ると翼が閉じているカットばっかりになってしまうことがあります。昔から秒間の連写コマ数が10コマを切るカメラの場合、タイミングがすごくいいはずなのに羽の広げ方がちょっとダメ、ということがよくありました。でも7D Mark IIはコマ撮りしたようにちゃんと撮れるんです。願わくばあと4コマくらい多くなると申し分ないですが(笑)、縦位置で狙った鳥がちゃんと捉えられるのです。縦位置で飛ぶところが撮れるなんてなんてことだと思いました。すごくいいスペックを持ったカメラですね」と大いに気に入った様子だった。

 高感度撮影の性能の高さも7D Mark IIの魅力だと戸塚氏。「7Dだとピントが合わないので、ミラーアップをして背面モニターで確認しながらピントを合わせてシャッターを切ったりするようなシーンでも、7D Mark IIではスポットAFで当てたらぴたっとピントが来ました。暗い場所での撮影だったので、手ブレや被写体ブレはあったが、ISO16000でAFでちゃんとピントが合っていました。暗いところでもしっかり撮れるのもいいですね」(戸塚氏)

 シャッター音の良さも複数の写真家が評価していた点で、戸塚氏は「5D Mark IIIはパカン、と大きめの音がするが、7D Mark IIの音はそれに比べて小さいので快適です。連写して初めて分かるのですが、この音の良さ、流れるような音はストレスなく撮れていいですね」と指摘。またRAWモードでも31コマまで連続で撮れるので、「試用している間一度もバッファがいっぱいになることはありませんでした」とプロの目から見ても納得のスペックだったようだ。

「左右に測距点が増えてAIサーボがすごく便利に」長根広和氏

長根広和氏 長根広和氏

 EOS 7D Mark IIのギャラリーのためにひたすら新幹線を撮ったという長根氏も、初代EOS 7Dのユーザー。同氏は、「5年前に初代7Dを買いました。あの当時で秒間8コマの連写にえらい感動しました。これは本当に鉄道を撮るために作られたカメラなんじゃないかと思って、ずっと今日まで仕事の相棒として使っています。故障も1回もしていません。でも5年も使っているとだんだん欲が出てきて、例えばもう少し測距点があったらいいな、とか、さらにさらに、と欲しいものが出てきてしまいます」とこの5年間の思いを口にすると、続けて「7D Mark IIが出て、今まで5年間たまってきた望みを叶えてくれたと思いました。まさに鉄道写真を撮るためにつくってくれたんじゃないかと思ってしまうくらいの出来で、素晴らしい完成度のカメラだと思います」と絶賛した。

 長根氏の心を捉えたのは、AFと連写の速度。EOS 7D Mark IIのAIサーボAF IIIは、これまで線路に「置きピン」(あらかじめ特定の場所にピントを合わせておいて撮ること)でワンショットAF撮っていた鉄道写真が、AIサーボAFで連写できる点は大きな変化だと話す。

 「今までは、AIサーボAFは使っていませんでした。列車というのは先頭の“顔”の部分を画面の端に置いて撮ることがほとんどなので、左右に測距点がないとなかなかAIサーボが使えないんです。これまでは左右の端の方に測距点が少なくて、新機種で測距点が増えていても、真ん中ばかり増えていることが多く、鉄道写真家仲間と一緒にキヤノンの技術者さんと話をすると、『なんでファインダーの左右に測距点がないんだ』という話によくなっていました」(長根氏)

 だが7D Mark IIのオールクロス65点AFセンサーは、左右にも測距点がしっかり用意されているため、65点自動選択モードでもAIサーボAF IIIでピントがバッチリ合った写真が撮れたという。

 「新幹線がカーブに顔を出したところから65点の測距点の自動AFでずっと撮ったのですが、そこからカーブを最高時速260キロで通過していく新幹線が、まったくピンボケせずに撮れました。運転席とライトとの部分にピントを合わせてずっと撮っていたのですが、撮り始めからベストショットの位置、そしてどんどん近付いてきてフレームアウトしていくまで、ずっとピントが合っていました」と驚きを隠さなかった。

 連写性能も、7Dの秒間8コマに対して、7D Mark IIの秒間10コマは、2コマの違いとはいえかなり差があると長根氏。「200キロ以上で走っている新幹線を撮ると、あっという間にファインダーから出て行ってしまうんですね。2コマの差を感じるのは、7D Mark IIでは連写で必ず1枚は納得いく写真が撮れたからです」。

 例えばこんなところで違いをはっきり感じたという。

 「多くの線路には電線を支える電柱が等間隔にあるので、列車の顔が電柱と電柱の間に出たところを狙います。特に広角レンズで狙うと、秒間8コマの7Dでは、さあ撮ろうと思っても1コマ目はまだ遠く、2コマ目はハナが切れちゃったとか、そんなことがよくありました。でも秒間10コマ撮れると、必ず1枚は納得いく写真が撮れたんです。電柱からは電線を支える支柱が飛び出ていて、それが列車の顔に影になって写ることもよくあります。秒間8コマだとちょうど一番いいときに影が顔に落ちているようなカットがよく撮れていて、その次だともう列車が行ってしまっているということが多かったんですが、秒間10コマの7D Mark IIでは影と電柱がすべてクリアできる1枚が撮れました」(長根氏)

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