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» 2014年11月17日 14時30分 UPDATE

ファインダーで光学像と電子像が見られる新体験――「FUJIFILM X100T」 (1/3)

写真愛好家層を中心に人気を集める高級コンパクト「FUJIFILM X100」シリーズの3代目として「X100T」が登場。OVFとEVFが融合した新ファインダーによって、これまでにない視覚体験が楽しめる。

[永山昌克,ITmedia]

クリアな実像を見ながら厳密なピント確認が可能

 富士フイルムから、レンズ一体型のデジタルカメラ「FUJIFILM X100T」が登場した。2011年に発売した初代「X100」、2013年発売の2代目「X100S」に続く、シリーズ3代目の製品だ。

 銀塩のレンジファインダーカメラを思わせるクラシックなデザインは、これまでの製品から継承したもの。35ミリ換算で35ミリ相当の明るい広角単焦点レンズや、メカダイヤルを多用したアナログ感覚の操作系も受け継いでいる。

FUJIFILM X100T 富士フイルム「FUJIFILM X100T」
FUJIFILM X100T ファインダー接眼部の横にはアイセンサーを備え、背面液晶モニターとの自動切り換えができる
FUJIFILM X100T ボディ前面のレンズの付け根部分に、ファインダー切替レバーを装備する

 X100Tの一番の見どころは、電子ビューファインダーと光学ファインダーを切り換えて使用できる、従来の「ハイブリッドビューファインダー」を拡張し、新たに「アドバンスト・ハイブリッドビューファインダー」を搭載したこと。

 ボディ前面の切換レバーを右方向に押した場合は、これまでの製品と同じく、電子ビューファインダー(EVF)による表示と、光学ファインダー(OVF)による表示の2モードが切り換わる。新しいのは、光学ファインダーでの表示中にレバーを左方向に押した場合だ。すると、光学ファインダー画面の右下に、ピント位置の部分拡大がEVFの小画面として表示される。

 このユニークな表示方法は、電子(式)レンジファインダー(ERF)と呼ばれるもの。光学ファインダーによって画面全体をクリアな実像で見ながら、厳密なピントは小画面による電子ファインダーで確認できるというわけだ。光学ファインダーでは正確なピントが分かりにくいという従来の弱点を解消し、光学式と電子式のメリットを併せ持つファインダーといっていい。これまでにない見え方なので最初は戸惑いも覚えたが、慣れるにしたがってギミックとしての面白さを感じた。

FUJIFILM X100T 電子ビューファインダー(EVF)の表示
FUJIFILM X100T 光学ファインダー(OVF)の表示
FUJIFILM X100T 電子式レンジファインダー(ERF)の表示

 電子式レンジファインダー選択時の小画面表示は、ボディ背面のコマンドダイヤルを押し込むことで、その拡大率を変更できる。また、メニューの設定によって、拡大表示をデジタルスプリットイメージ(画面の一部分を分割して、そのズレでピントを確認する機能)や、フォーカスピーキング(ピントが合った部分を色付きで表示する機能)にも変更もできる。

 さらに光学ファインダーの実用性を高める機能として、リアルタイム・パララックス補正にも新対応した。これは、光学ファインダーを使って近距離で撮影する際に生じる、表示範囲と撮影範囲のズレ(視差)をリアルタイムに自動補正する機能だ。マニュアルフォーカスおよびAF-Cモード選択中に利用でき、より確実なフレーミングで撮影できる。

 一方電子ビューファインダーにも改良が加えられた。撮影シーンの明るさに応じてファインダーの明るさが自動制御されるようになったほか、一般的にフレームレートが低下する暗所でも最大のフレームレートが維持されるようになった。また、表示のタイムラグは従来比で5分の1に短縮。カメラを縦位置に構えた際のファインダー内情報の縦表示も可能になった。

FUJIFILM X100T 液晶モニターは、従来の2.8型約46万ドットから、X100Tでは3型約104万ドットへとスペックアップした
FUJIFILM X100T ボディは、天面と底面をマグネシウムダイキャストで覆った頑丈な作り。ブラックのほか、シルバーボディが用意される
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