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STYLUS TG-860 Tough vs. COOLPIX AW130 夏のレジャーのお供にしたい防水デジカメ対決!(3/3 ページ)

» 2015年07月28日 21時00分 公開
[荻窪圭ITmedia]
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カメラとしての使い勝手は

 AW130はカメラボタンを押して撮影モードを切り替えねばならないのに対し、TG-860は撮影モードダイヤルを持っていてすぐに変更できる。またズームレバーも上面にあるTG-860の方が一般的なスマホの持ち方には適してる。

 よりタフな環境ではAW130の方がよさげだ。グローブをつけていて細かな操作をしづらいとき、側面のアクションボタンを押してカメラを振るだけで撮影モードを選択したり再生したりできる。

 マクロ撮影機能はどちらも強力だが、TG-860はダイヤルを回すとすぐ「スーパーマクロ」モードになるので便利。AW130はメニューを表示してそこから「クローズアップ」モードにする必要がある。

 アウトドア系カメラはマクロ撮影に強いのだが、この2機種もすごい。AW130はクローズアップモード時、レンズ前1センチまで寄れる。広角端の24ミリ相当から標準域の56ミリ相当までレンズ前1センチの撮影が可能だ。

COOLPIX AW130 24ミリ相当でクローズアップモード

 それより望遠だと、マクロは効かず、望遠端で50センチとなる。

 TG-860はスーパーマクロモードだと広角端の21ミリ相当から標準域の49ミリ相当までレンズ前1センチの撮影に対応。

STYLUS TG-860 Tough 49ミリ相当でスーパーマクロモード

 また通常の撮影モードでも望遠端(105ミリ相当)でレンズ前10センチまで寄れる。これは便利

STYLUS TG-860 Tough 105ミリ相当でもけっこう寄れる

 画質はどうか。

 レンガの一部分にスポットを当ててみた。

COOLPIX AW130 COOLPIX AW130
STYLUS TG-860 Tough STYLUS TG-860 Tough

 TG-860の方が周辺部の画質劣化が抑えられててがんばってる。

“アウトドアガジェット”のAW130とスマホ連携で楽しむTG-860

 日常のカメラとしての使い勝手は撮影モードダイヤルを持っていたり、OKボタンで撮影メニューをすぐ呼び出せるTG-860の方がちょっと上かなと思う。側面にも三脚穴があり、縦位置での三脚据え付けが可能なのも面白い。

 ただグローブを付けたような本格的なアウトドア体勢だと、側面のアクションボタンやボタン+カメラを振る(あるいは叩く)動作で撮影モードの選択や再生が行える点でAW130はよく考えられてる。

 撮影機能ではほかにパノラマやインターバル撮影などトレンドの機能はどちらも搭載。

 TG-860はさらに「スポーツカム」機能を持っているのが新しい点。ウェアラブルカメラとしてどこかに固定して撮り続けるときの機能だ。

 最後はアウトドア仕様カメラの特徴であるGPSやWi-Fiの話をしよう。どちらもGPSとWi-Fiを搭載している。

 AW130は「本体でそれらの機能を楽しむ」アウトドアガジェットとしての機能が充実している。何しろ撮影画面からしてこうである。

COOLPIX AW130 画面には高度・気圧・GPSの状態、ランドマーク(POIをオンにしたとき)を表示。水中では水深も表示される

 側面の地図ボタンを押すと、内蔵している地図が現在地とともに表示される。

COOLPIX AW130 側面には上から、地図、Wi-Fi、アクションと3つのボタンが並んでいる。地図を押すと地図表示に切り替わって便利
COOLPIX AW130 電子コンパス画面では高度や気圧、緯度経度を表示してくれる

 完全に「GPSログ機能付アウトドアジャケット」だ。GPSログも地図上に表示される。

 再生時も、地図と一緒に撮影場所を表示できる。

COOLPIX AW130 撮影場所とそこで撮った写真のサムネイルが並ぶ

 撮った写真にあとから撮影情報を書き込むことも可能だ。

COOLPIX AW130 あとから緯度経度などを写真に書き込める。ただ、海辺で高度47メートルというのはちょっとずれすぎ。気圧から高度を推測するので低気圧が来ているときなどは正確性を欠くようだ

 撮影日時や場所、そのときの状況を一緒に記録できるので、記録写真として非常によい。

 このようにAW130は単体でアウトドアガジェットとして役立つのである。GPSログを画面に表示することもできる。

 対してTG-860はカメラ単体より、スマホと組み合わせて楽しむ設計。GPSで位置情報を記録したり、GPSロガーとして使ったりできるが、カメラ単体では緯度経度を表示できるくらい。データはスマホで活用するのだ。

 AW130もWi-Fiでスマホに対応しているが、こちらは普通のカメラとしての使い方。スマホからリモートで撮影したりスマホから写真を転送するのが仕事。

COOLPIX AW130 ニコン共通のスマホ用アプリ「NWU」

 対してTG-860は、撮影・再生用アプリとは別に、TGシリーズ専用のアプリをオリンパスが用意している。「OLYMPUS Image Track」がそうだ。

STYLUS TG-860 Tough GPS関連のデータをやりとりする専用アプリ「OLYMPUS Image Track」

 画面上のQRコードを使ってスマホと接続。

STYLUS TG-860 Tough 接続中

 できることは3つ。

 1つはA-GPSデータの更新。GPSユニットは「最初の測位」にちょっと時間がかかる。だからログを取るときは、目的地に着いたついたらすぐにログを起動しなければならないのだが、GPS衛星の位置データをあらかじめ持っておくことで、待ち時間を大幅に短縮できる。それが「A-GPSデータ」だ。

 AW130もTG-860もA-GPSに対応しているのだが、AW130はあらかじめPCを使って「http://nikonimglib.com/agps3/」からダウンロードして更新しなければならない。

 TG-860はアプリを使うことで、A-GPSデータをスマホで入手し、そこからカメラに転送できるのだ。これは便利。いちいちPCを介さなくていいし、現地へ行くまでの間に最新のA-GPSデータを入れられる。

STYLUS TG-860 Tough A-GPSファイルをスマホから入手できる

 また、カメラで撮ったGPSログもスマホに転送すれば、スマホ上の地図にログを重ねて表示できるし、写真撮影したポイントも表示してくれるし、スマホにログを転送しておけばあとからでも見返せる。

STYLUS TG-860 Tough 地図上にログや撮影場所を表示してくれるのは便利

 これが、カメラ上で完結しているAW130と、スマホと連携することでGPS機能が生きるTG-860の大きな違いといっていいだろう。

 高度も水深も測れて単体で地図やログまで見られるちょっと本格派にはAW130がお勧め。水深30メートルから高度1000メートル以上の山までいける。対して、自撮りをしたりスマホと組み合わせたりと、アウトドアを楽しみたい人にはTG-860がいい。

 同じジャンルの同等価格帯のカメラでもけっこう違うのであった。

 なお、海などで遊んだ後は、すぐに真水で丸洗いすること。防水ではあっても凶悪な海水はすぐに洗い流すべし。

(モデル:辻祐香 オスカープロモーション)

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