IXYシリーズならではの再生機能の充実は目を見張るものがある。再生機能はタッチパネル向けのカスタマイズがなされており、撮った後も3.2型の大きな液晶で楽しめる。
画像再生時の画像切り替えは、タッチパネルUIではお馴染みの画面をドラッグする操作方法のほかに、本体右側面を”トン”とたたくと次の画像へ、左側面を”トン”とたたくと前の画像へ切り替わる操作が新たに加わった。この操作は思った以上に直感的で、「なぜ今まで実装されなかったのだろう」と思えるぐらい(他社製品だが、オリンパス「μTOUGH」シリーズの一部には「タップコントロール」として同種の操作UIが導入されている)。
ただし、注意すべき点もある。操作する際にカメラに添えている指を離したり、ショックを与えたり動作があるので、カメラを落下させる可能性があることだ。利用時にはストラップを手首に通しておくなどしておいた方がいいだろう。
大容量のメモリーカードが安価になった事もあり、1枚のカードに数千枚の撮影が可能となった。メモリーカードに撮りためた画像を見る際におすすめの機能が「連想再生」機能だ。この機能を利用すると、選択した画像と関連する4枚の候補が表示される。その4枚から1枚を選択すると画面が切り替わり、新たな画像候補が表示される。通常の撮影順の画像表示と違い、過去の写真なども表示されるので新たな発見がある。
IXY 30Sでは候補選びを方向キーで行っていたが、IXY 31SのタッチパネルUIなら、見たい画像をタッチするだけなのでテンポ良く見ることができる。
ムービーダイジェスト再生もおもしろい機能だ。撮影モードを「ムービーダイジェスト」として撮影すると、撮影前の4秒間を動画として保存し、1日単位で1本の動画にまとめて保存してくれる。ムービーダイジェストを見ると、「これはうまくいった」、「こうすれば良かった」などシャッターチャンスや構図を客観的に判断できるようになる。
できれば、どの撮影モードでも使えるように、設定項目にムービーダイジェストのオン・オフが欲しいと思う。写真に詳しい人に、撮った写真とムービーダイジェストを写見てもらえば、的確なアドバイスを得られるだろう。写真のスキルアップにつながる素晴らしい機能だ。
多機能なIXY 31Sだが、前述した独立した撮影モードのおかげで、目的の機能を簡単に選ぶ事ができ、非常に使いやすいカメラだ。シーン判別、被写体認識のオートモードも素晴らしいが、さまざま撮影モードを使いこなすともっと楽しめる1台だ。
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