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バリアングル対応の一眼レフ入門機――キヤノン「EOS Kiss X5」(1/3 ページ)

» 2011年02月25日 19時17分 公開
[鈴木吾郎,ITmedia]
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構図の自由度を広げる可動モニタ

 ロングセラーを続ける一眼レフ、キヤノン「EOS Kiss」の新作として「EOS Kiss X5」が登場した。同シリーズは2003年の初代モデル以降、約1〜1年半に1回のペースでモデルチェンジを行い、そのたびに画素数を増やしてきた。だが今回は、昨年登場の「EOS Kiss X4」(レビュー)から画素数は変わらず、引き続き有効1800万画素のCMOSを採用。処理エンジンの「DIGIC 4」や、秒間3.7コマの連写速度といったスペックも従来通りである。

photo レンズに「EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS II」を組み合わせた「EOS Kiss X5」レンズキット
photophoto 外装は表面にざらつきのある樹脂素材で、グリップを中心に両側面に滑り止めのラバーが張られている。写真のレンズは「EF50mm F1.8 II」(写真=左)、従来よりやや大型化したとはいえ、それでも一眼レフ機としては小型軽量の部類。キットレンズは外観をマイナーチェンジした(写真=右)

 では何が変わったのか。いちばんの進化は、液晶モニタをバリアングル式にしたこと。ひとつ上のクラスに位置する「EOS 60D」の液晶と同じように、左右に最大175度まで、上下に最大270度まで回転させることができる。ローアングルやハイアングルでの撮影がしやすいほか、カメラを使わないときは、液晶面を内側にして閉じ画面を保護することもできる。

photophoto Kissシリーズでは初となるバリアングル構造を採用(写真=左)、液晶面を内側にして閉じた状態。ファインダーには視野率95%、倍率0.85倍のペンタダハミラーを採用する

 バリアングル化にともなって、ボディサイズは従来機EOS Kiss X4よりもわずかに大きくなり、本体重量は40グラム増加した。ファインダーの倍率が0.87倍から0.85倍へとスペックダウンしたのも、バリアングル化のシワ寄せかもしれない。とはいえ、個人的にはバリアングル化は大賛成。構図の自由度が格段に広がり、ファインダー撮影では気が付かなかった視点や撮り方を発見させてくれるからだ。

 液晶のサイズと画素数、およびライブビュー撮影の使い勝手については、従来機EOS Kiss X4と同じと考えていい。すなわち、背面の専用ボタンを押すことで、液晶にライブビューを表示でき、必要に応じて最大10倍の拡大表示やヒストグラム表示、グリッド表示などができる。

 ライブビュー時のAFもこれまでと同じく、コントラストAFが作動する「ライブモード」と「顔優先ライブモード」、位相差AFが作動する「クイックモード」の3方式に対応。他社のミラーレスカメラに比べると、コントラストAFのスピードが相変わらず遅いのは残念なところ。じっくりとピントを合わるならライブモードを、動作音とライブビューの中断に目をつぶってAFスピードを重視するならクイックモードを、それぞれ使い分けるようにしたい。

photophoto 液晶にはワイド3型/104万画素(写真=左)、ライブビューでは、グリッド表示やアスペクト比の設定などができる。EOS 60Dとは異なり、静音撮影機能はない(写真=右)
photo 記録メディアはSD/SDHC/SDXCメモリーカードで、電源はリチウムイオン充電池。CIPA準拠のバッテリ寿命は約550枚(ライブビュー使用時は約200枚)となる
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