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ワガママに応える26倍レンズ一体型ハイエンド――「FUJIFILM X-S1」(3/4 ページ)

» 2011年12月15日 11時00分 公開
[荻窪圭,ITmedia]
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巨大なレンズ一体型高倍率ズームの存在感

 で、こんなにデカいレンズ一体型カメラに需要はあるのか。

 あると思う。少なくともレンズ交換型カメラにこんな超高倍率ズームレンズなんて見たことないし、複数のレンズを組み合わせるとレンズ着脱の手間が発生するし、重量的にもコスト的にもつらい。そこそこのクオリティを持ち、1台で広角から超望遠までこなす便利なカメラというニーズがあるのだ。

 普段使いにはデカくて重いので、10倍ズームがあれば十分って人はマイクロフォーサーズ機でも買った方が幸せだろうが、超望遠も欲しい、撮影観光が趣味で1台で何でもかんでも撮りたい、となるとこういう存在もアリだ。

 とはいえ、実際に使ってみると「もうちょっと軽くできたんじゃない?」とは思う。撮影時重量は約945グラムと1キロ近いからね。

 それに、このクラスのカメラを手にしたらあれこれ瞬時にセッティングしてパパッと撮りたくなるから、細かな使い勝手(操作のレスポンスやボタンの配置、カスタマイズの幅など)には不満はあるし、EXRモードはなしにしてもうちょっと撮影モードをシンプルにしてもよかったんじゃないかとも思う。

 それでも、デジタル一眼ほどの画質は不要だけど広角から望遠まであらゆるシーンをちゃんと撮っておきたい、というワガママに応えるにはこれほど頼もしいカメラはない。24〜624ミリまで撮れて作りもしっかりしたカメラってそうはないから。

作例(1)

photo 川にたたずむダイサギを望遠端で。624ミリ相当はやっぱり魅力的。レンズがしっかりしているので等倍で観ても十分なクオリティだ。ダイナミックレンジは200%。 1/1000秒 F5.6 ISO200
photo 教会の鐘を中望遠で。1/100秒 F3.6 ISO400
photo 庭園と高層ビル群という東京らしい風景を広角端で。レンズのゆがみもきれいに補正されている。DRモードでダイナミックレンジ400%。1/600秒 F3.6 ISO100
photo 森の中の紅葉を200ミリ相当の望遠で狙ってみた。部分的に陽射しが当たっていたので、ダイナミックレンジを1600%に。そうすると白飛びもなく紅葉がきれいに映える。1/340秒 F5 ISO400
photo 紅葉を望遠端で。色を派手目にしたかったので、フィルムシミュレーションを「ベルビア」に。1/500秒 F5.6 ISO640
photo チルト式液晶なのでこういったローアングル写真も撮りやすい。夕暮れ時の青さがいい感じに出てくれた。1/75秒 F2.8 ISO200
photo ソファで昼寝してるうちの猫をちょっと離れて望遠で。部分的に陽射しが当たってたのでダイナミックレンジを1600%にして白飛びをおさえてみた。1/340秒 F5 ISO400
photo ペット顔検出モードで高速連写。動く被写体の時は高速連写が便利。ちゃんと顔を検出してくれてる。 1/100秒 F4 ISO640
photo ペットモードは残念ながらISO800までしか上がらないが、もうあたりは暗い。そこで高感度優先のEXRモードでISO3200にして連写。ISO3200でもノイズが目立たない被写体ならけっこうイケる 1/105秒 F4.5 ISO3200

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