さて実際に撮ってみる。
絞りリングがあるとやっぱ絞り優先AEで撮りたくなるのは人情というもの。センサーサイズが大きい分、絞り値で被写界深度が大きく変わるのでそのコントロールが楽しいのだ。こんな感じで大きく変わる。
絞りを開けばふわっとしたきれいなボケを楽しめるし、F8〜11くらいに絞り込むとシャキッとした解像感の高いキレのある写りを楽しめる。さすがである。
シャッタースピードは最高で1/2000秒(ただし、F4.0から1/3200秒、F5.6より絞ると1/4000秒まで上がる)。ISO感度は100から25600までと幅広いが、さらに拡張ISO感度としてISO50/64/80が使える。
ISO80以下はなぜ拡張ISO感度扱いなのかというと、いわゆる減感処理をしているからだ。実際の感度より低くするためハイライト部が少し飛びやすくなる(ダイナミックレンジが少し狭くなる)。こんな感じ。
ぱっと見は同じだけど、陽光が反射して白飛びしてるところを見比べると分かる。
そういうことである。だがしかし、もともとダイナミックレンジが広いフルサイズセンサーであるからして、そこらのミラーレス一眼やハイエンドコンパクトよりは優秀なので、明るいところでもギリギリまで絞りを開いて撮りたい、ISO100だと1/2000秒では足りないってときにISO感度を落として対処していい。
ISO100〜1600くらいだと階調、特にハイライト部の階調が非常に滑らかで白飛びしづらく柔らかく気持ちいい絵を撮れる。画質面では同社のフルサイズセンサー搭載機の最上位デジタル一眼「α99」より優秀なんじゃないかと思う。
わざと露出オーバーにして明るく撮りたいとき、下手なデジカメだとハイライト部が不自然に飛ぶのできれいに仕上がらないのだが、RX1だとそんな心配はいらないのだ。それこそ+3くらい思い切って補正かけてもいい。
たとえばこのポートレート、+3の補正をかけて思い切りとばしてるんだけど、ハイライト部の階調がしっかり残っているので不自然にならないのだ。
ISO感度には「マルチショットNR」機能もある。連写+合成処理を行うことでノイズを減らすという機能で、もともと高感度に強い上、さらにノイズを減らしてくれるというソニー得意の機能だ。
ISO感度ダイヤルはないが、デフォルトでは上面のCボタンにISO感度が割り当てられているので、これを押して電子ダイヤルを回す(1段単位で感度が変わる)か、背面のホイールを回す(1/3段単位で変えられる)だけでいい。
撮影時に瞬時にいじりたくなる露出系のパラメータはおおむねグリップしたまま変更できるので、撮っててけっこう快適である。ボタンやダイヤル類の質感もよく、ちょっと電源や露出補正ダイヤルが硬いけれども、不用意に回っても困るし、このくらいカチッとしてる方がいい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR