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お手軽パノラマカメラの決定版 リコー「THETA S」はここがすごい(1/4 ページ)

» 2015年10月23日 06時00分 公開
[荻窪圭ITmedia]

 2013年秋に登場したリコーの「THETA(シータ)」は、長細い手のひらサイズのスティック状のカメラだ。前後にドーム状のレンズが付いており、ワンショットで前後180度ずつ、合計360度、すなわち上下前後左右全てを一発で撮れるというユニークな全天球カメラとして一部で熱狂的に迎えられたのである。

 上下前後左右全てを撮影するにはカメラ自身が小さくなきゃいけないわけで、液晶モニターを省き、細かい操作系もすべてスマートフォンに任せた潔さもよかった。

 あれから2年。とうとうフルモデルチェンジが来た。それが今回紹介する「THETA S」である。

 見た目は前モデルとほぼ変わらないが、ボディカラーがマットなブラックに一新。

RICOH THETA S 黒くなった「THETA S」

 そしてTHETA一番の欠点といわれてた「画質」を上げてきたのである。もはや“THETA Pro”と呼んでいいんじゃないかというレベルになった。

 さらに、アプリが改良されて撮影時にプレビューができる、スローシャッター撮影が可能になる、より手軽に全天球動画を録れるようになるなど、機能面でも大幅に進化している。

THETA Sで撮れる写真

 THETA Sは見ての通り、前後に半球型レンズ(円周魚眼レンズ)を持ったユニークなカメラである。

 レンズ2つとイメージセンサーを2つ持っており、それぞれが円周魚眼レンズなので180度の撮影ができる。撮影した画像をカメラ内で1枚に合成することで全天球写真を作り出せるのだ。

 実際に撮影してみると、下部に肌色が写るが、これはシータを持っている自分の手。シータを上にかかげ、本体のボタンを押して撮影するとこうなる(初代ウルトラマン変身のポーズと思えばよし)。

RICOH THETA S

 画像サイズは5376×2688ピクセルで、約1400万画素相当。前モデルは3584×1792ピクセルで600万画素相当だったので、ぐっと解像度が高くなっているのみならず、イメージセンサーも大きくなったので全体の解像感は数字以上に上がって見える。

 実際、iPhone上で全天球パノラマを再生する様子をHD動画にしたのでどうぞ。こんな風に楽しめるのだ。

iPhone上でぐるぐる回したり拡大縮小したりしてみた動画

 撮影した画像は、スマートフォン上、あるいはPCやMacのアプリから専用Webサイトへアップロードすることで、シェアすることができる。

東急世田谷線シータ - Spherical Image - RICOH THETA
THETA Sで撮影したイメージは、埋め込みコードを使うことで自分のブログなどで公開できる

 専用Webサイトに表示される「埋め込みコード」を使えば、自分のブログなどに貼り付けることもできる。

 そのほか、「THETA+」アプリをつかえば全天球パノラマから好きなアングルを選んでそれを静止画として使うこともできる。そうすれば、その画角の広さ(なにしろ360度である)を生かした「超々広角写真」も楽しめるわけだ。

RICOH THETA S
RICOH THETA S THETA+アプリにデータを渡せば、「リトルプラネット」や、「Rectilinear」(歪みを補正した画像)を作って書き出すこともできる

 面白そう、と思ったら次をどうぞ。

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